ある一日の覚書

昨日は久しぶりに青空だった。


朝はすこし遅めに起きて、あおちゃんと二人で朝ごはんを食べる。

前の夜に食べに行った美味しいカフェで、買ってきたパンは、
ブルーチーズとくるみが練りこまれた固くしっかり焼かれたパンと、
小麦の香ばしい香りがするふわふわもちもちの食パン。


腹ごしらえして、身支度をして、月に一度通っている鍼灸へ、
自転車を走らせる。

築は古いけれど、中はとても綺麗なマンションの一室で、
丁寧にメンテナンスしてもらう。
小さな公園に面した、広い掃き出し窓からは、春めいた日の光が射しこむ。

一年、経ったんですね、と、先生と少しだけ話す。
テレビはあまり、見すぎないようにしましょうね。

施術が終わって、足の先が温まって、背中が広がって、顔色が
ふわっと明るくなる。


うちに帰ると、家人はジムに行っていて、私はぼうっと
パソコンをいじりながら、帰りを待つ。

帰ってきたあおちゃんと近くで評判のラーメン屋さんへ行く。
さっぱりしてくさみはないのに、スープの味はしっかり濃厚な、
美味しい塩ラーメンとつけ麺を堪能する。

ただ、雑談ばかりする店員の客さばきと、チャーシューを焼く煙が
もうもうとたちこめる店の中の雰囲気が悪くて、待たされる間に、
あおちゃんが、だいぶイライラしていたので、多分、もういかない。


味は本当に、なかなか美味しいのに、こういうところで客を逃すのは
残念だねえと言い合いながら、電車に乗って、自由が丘に向かう。

お互いの友人のバースデープレゼントを物色したり、服を見たり
街をぶらぶら歩く。日が当たるとあまり寒くない、気持ちのいいお散歩日和。

日本家屋のカフェに入って、日の当たる庭を眺めながら、のんびりと、
畳の上で抹茶をすすって、和菓子をつつく。


友達に紹介されたまま、なかなか来られなかったここに、前回あおちゃんと来た。
どうやら気に入ってくれたらしく、今日はあおちゃんが「入りたい」と
言ってくれた。


斜め後ろに座る、いかにもゲイカップルと女友達らしい三人組が、
きゃっきゃきゃっきゃと写真を撮ったり、おしゃべりする様子に、
思わず頬が緩む。


時計は、静かに15時を回り、あおちゃんがふと、
「これくらいの時間だったね」と言った。
そうだ。これくらいの時間だった。


店を出て、また街をぶらぶら。紅茶を買って、よさそうなプレゼントに、
お互い巡りあって、二人で電車に揺られて、あおちゃんの街まで帰る。

夕食や、日用品の買い物をするために、商店街に向かったら、
商店街の入り口で、義捐金を募るイベントをやっていた。

財布の中をみて、手持ちの少なさにためらった私の横で、
あおちゃんは、何もためらわずに、すっと何枚かお札を募金箱にいれていて、
かわりに押しつけられるように渡されたグッズに「ちょっと困るね」と、
苦笑した。

歩き出しながら、JCBのカードで募金ができなくなってから、
なかなか出来てなかったからさ、と、ちょっと独り言めいて彼女が言う。

隣にいて、とっさに何も動けなかった自分が、猛烈に恥ずかしかったので、
次の日、お金をおろしたら、私もちゃんと募金しようと思った。


夕飯の材料を買って、キッチンに立つ私に、テレビの特集を見ながら、
あおちゃんは、「一度、被災地にいこうかね、仙台とか」と、私に声をかけた。
特に、かたくも、やわらかくもない、ごくふつうの声で。
だから、「そうだね」と、私も自然に返せた。

そうだね。行こうね。


一緒にお風呂に入って、スキンケアと、二人でストレッチ。
体を伸ばしてゆるめて、早めに布団に入る。
暗闇の中で、どちらともなく手をつないだ。


私は、この人と一緒にいられて、ほんとうにほんとうにほんとうに
しあわせだ、と思った。



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コメント

1 ■無題

何ともいい記事だね。
ヨコさんのブログの記事で、これが一番好きかもしれない。
たくさんの良い時間をこれからも記していってくださいね。

わたしは仙台も行きたいけれど、以前にのんびりと過ごさせてもらった一ノ関に足を運んでみたいと思っています。
  • 2012-03-13 10:12
  • URL
  • はる #79D/WHSg
  • Edit

2 ■Re:無題

>はるさん
うれしい~。ありがとう。

たくさんのよい時間もきっと忘れてしまうから、
こうやって書きとめていきたいなって、作ったブログでした、
と、改めて思いだしてみたりした記事でもあります。

思い出の地に行くのもいいね。
そうやって個人的な思いでつながっていくのが
一番いいね。
  • 2012-03-13 23:57
  • URL
  • ヨコ #79D/WHSg
  • Edit

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