私以外のレズビアン

「ヨコさんのブログ、好きです」

最初にそう言ってくれたのは、ピグで知り合った女の子だった。

***

mixiでは、リアルの交友関係を色々とつめこんだせいで、
ほとんどLGBT関係のコミュに入れなかった。
その腹いせ(?)もあって、アメーバでは、とにかく
ビアン色でつながろう!と、決め、お気に入りのビアンブログへの
リンクはもちろん、ぐるっぽにも入ったし、ピグの部活にも入った。
(しかし、私はネットで交友関係を育むことに、そうとう適性がないので、
 まあ見事に、その辺りの交流はサッパリですが…)


彼女はそのピグの部室で、偶然ゆきあった子だった。
彼女は同い年位で、関東近県に住んでいる、と言った。

彼女いるんですか? と質問されたので、
いますよー、そのあたりメインテーマ(笑)で、
ブログ書いてますー、といったら、矢継ぎ早の質問がきた。

 どこで知り合ったんですか?
 付き合ってどれくらいなんですか?
 何歳くらいなんですか?
 どんな人なんですか?

答える私に、ひとつひとつ感嘆符がついた相槌。
「本当にそういうことってあるんですね~!!」

そして聞かれた。
「自分以外のビアンの人って何人位見たことありますか?」



……ん?
んんん?

えーと、「見る」?
え、今、私、見た人数聞かれてる??

これまで付き合った人何人くらい? とか、
ビアンの友達が何人くらい? とか、
何人位にカムアウトしたことある? とかなら、
質問もわかるんだけど(正確には答えられるかは微妙だけど)、
目撃した人数ですか???

一瞬、彼女の問いの意味をとらえかね、戸惑いながら、
「ビアンバーにも行くし、イベントにも行ったことあるし、
 イベントのオーガナイズをやったこともあるから、正直
 見た、だと数え切れないなあ…」
と答えた。
おおー、と言った後、彼女はぽつんとつぶやいた。


「私、ビアンの人って見たことないんです」


それは、ぽかっといきなり頭を殴られるような、
軽い、でも唐突で心臓が飛び跳ねるような、衝撃。

つよいつよいさびしさが、その一言から一気に伝わってきた。


彼女は、彼氏がいる、といった。
でも本当は彼女が欲しい、と、いっていた。

彼女は、何度か私のブログに来てくれて、
わざわざメッセージで、長い感想をくれた。
そして自分自身のブログでも、女の子との体験の、
思い出の記事を、いくつか書いた。
そして、あるとき、彼女はアメーバからふっと姿を消した。

今でも、ここを読んでくれているのかは、わからない。

***

彼女にとって、どうやら私は「おとぎの国の人」だった。
カノジョがいたり別れたりして、ビアンの友達がいて、
カムアウトしているノンケの友達がいて、バーやイベントに行く
レズビアン。
そういう人が、そうやって生きている人が、本当にいるんだ。
彼女が書いてくれる感想の行間からは、そういう思いが、
しみだしてくるみたいだった。

東京を一歩離れたら、いや、もしかしたら東京にいたって、
そういう風に感じている人は、今だってフツーにいるんだ。
そのとき、はじめて、私もそのことに実感を覚えた。


うん、あなた以外のレズビアンの人、いーっぱいいるよー。
ほんとに、そりゃーもーゴロゴロいるよー。



誰かを勇気づけたいとか、一人じゃないと思って欲しいとか、
あまりそういうことは、ブログを書こうと思った動機ではないし、
今も思ってはいない。

けれど人間は、イメージを、より具体的に描くことで、
未来を作る生き物だから。


私の、ささやかな日常や思いや思い出をつづる文章が、
こういう一例もあるんだなって、誰かの心のどこかに残って、
それが、その人が、より息のしやすい自分自身や、
大切なひととめぐりあう一つの要素になったりなんかしたら、
それはちょっと、いや、かなりハッピーだなと思う。


ただ書きたいことを書くだけなら、オフラインでいい。
けれど、誰かに届くように文章を書くことは、
誰かの中で色々な化学反応を起こす可能性がある。
そして私も、その反応が乱反射される中で、
また色々考えたりできる。
それが、とてもエキサイティングで面白い。


一つ前の記事で、ブログを書くことでの副産物を気にしすぎると、
書きたいという純粋な欲望から遠ざかる、と書いた。

今日書きたかったのは、それと同時に、
「あなた」が読んでくれるところに書くことで、
誰かが、読んでくれた、と知ることで、
絶対に一人だとうまれない文章があるんだ、ということ。
そしてそういう文章を、一番楽しんでいる読者は、
ほかならぬ私なんだろうなー。



そんなわけで、ランキングの一票という、
積極支持を頂けるのは、思いのほか、
私のやる気に、大きな影響を及ぼしているのでした!

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コメント

1 ■無題

私も彼女が出来るまでは、そういう感じだったかもしれません笑

何気ない日常が書くこと・伝えることが、実は一番大切なことなんですよね。
セクマイは基本的に「見えない」世界ですから(´・ω・`)

すごく考えさせられる文章です。
私のブログに意味があるかどかはわからないけれど・・・これからもブログ更新がんばります!笑
  • 2011-04-16 08:54
  • URL
  • ♀さくら #79D/WHSg
  • Edit

2 ■Re:無題

>♀さくらさん
あおちゃんに、この「見たことあるか?」と質問されて、ツチノコみたいな扱いでびっくりしたよ、と
話したとき、
「私もそっちの方が近かったと思うよ」
と言われました。

そっかー…と、そのときもちょっとドキっとしました。
自分は見える機会を早々に手に入れたけど、
本当に見えないもんなんだな~、と。

さくらさんが前に書かれていた、「ブログを書くことが
私のセクマイ運動!」ってすごくいいなーと思ったのを
覚えています。

私は何かしらの使命感は、あえて持たずにこれからも
ブログを書くのを楽しもうと思ってますが、
それでもどこかに届いたら嬉しいなと思います。
  • 2011-04-16 11:00
  • URL
  • ヨコ #79D/WHSg
  • Edit

3 ■無題

私もそうです。
そういうコミュニティーに足を運んだりするわけじゃないし、
クローズドなので余計にそうなってしまうのかも知れませんが。。
今まで好きになった同性は2人ですが、2人ともノンケさんですし。

本当は、見えないだけでもっと身近に「いる」んだと信じたいんですけどね。
カムアウトした人の周りにもいないみたいですし。
リアルに会ったことが一度もない(あるいは知らない)ので、自分にとっては未だに画面の向こうの感覚です;
色々な人のブログを読むようになって、少しずつリアルに近づきつつはありますが。。

まず自分自身が殻を破らないといけないんでしょうね;
  • 2011-04-16 12:56
  • URL
  • kei #79D/WHSg
  • Edit

4 ■(´∀`)

ものすごく納得、共感して
ホッとしました(*´∇`)

私は周りにも
同じような生活の人が多いし
私と彼女2人でいることが
自然なことだと思う方が多いので
すごく恵まれてます(*´-`)
(今だに"レズビアン"という
カテゴリー名が
つけられていることに
抵抗を覚えてしまうので
まわりくどい言い方ですみません)

でもまだまだ孤独で
閉塞感でいっぱいの人たちは
いるんですよね!!

私はブログにあたっては
公にしてるわけではありませんが
なにかの拍子に
1つの例え(?このあたり
うまい言い方ができませんが)
として、こういう人たちも
いるんだよってことに
繋がっているなら嬉しいし
私もやっぱり他の方のブログに
助けられてる!!
(・∀・)人(・∀・)

この記事はすごく考えさせられ、
感動しました♪

ありがとうございます!!
  • 2011-04-16 13:59
  • URL
  • 愛mi #79D/WHSg
  • Edit

5 ■はじめまして!

blog拝見させていただきました。


私もすごく考えさせられました…。

私は今、彼女がいますが、
セクマイの方と知り合うまでは、
ずっとおとぎの国の話でした。


まとまりのないコメントになりましたが…
私もblogを書いています。
blogを通じて、
おとぎの国じゃなくて、
ここにいるよー!
って伝えていけたらなぁと思います
  • 2011-04-16 20:48
  • URL
  • Mal #79D/WHSg
  • Edit

6 ■Re:無題

>keiさん
keiさんもそうなんですね~。
コミュニティに足を運ぶのは、まず精神的な
障壁が高いよな~、と思います。

セクマイは100人に1人はいるらしいですから、
例えば小学校でも一学年に1~2人はいた筈なんですよね。
そう思うと、私も不思議な感じはします。
見えないってそういうことなんですよね。
  • 2011-04-17 21:41
  • URL
  • ヨコ #79D/WHSg
  • Edit

7 ■Re:(´∀`)

>愛miさん
コメントありがとうございます!
感動したなんて言っていただくと、こちらの方こそ、
ありがたい気持ちでいっぱいです。

自分が一度いろいろな人と会ってしまって、
よくも悪くも自分をラベリング出来て、楽になっちゃうと、
そうじゃない状態っていうのは、逆に想像しづらく
なってるんだな、と感じています。

つながることで、また自己肯定が高まるっていうのも
あると思うので、愛miさんも是非幸せを発信し続けてくださいな!
  • 2011-04-17 21:46
  • URL
  • ヨコ #79D/WHSg
  • Edit

8 ■Re:はじめまして!

>Malさん
はじめまして! コメントありがとうございます。

実際に知り合うまでは、本当に「目に見えない世界」なんですよね。
こうやっていろいろな方からコメントをいただいて、
改めて実感します。

こういう一人一人の発信が、いろいろな人を、
「おとぎの国」から「血肉を持った現実の世界」に
近づけていけたら素敵ですよね。
  • 2011-04-17 21:50
  • URL
  • ヨコ #79D/WHSg
  • Edit

9 ■なんだか...

カルチャーショックでした。
そうですよね、自分の価値観がおかしくなっていたかもしれないです。
周りに言えない環境の人だってたくさんいるし、だから自分以外のセクマイの存在に出会ったことがない人だってたくさんいるんですよね。
みんながみんなオープンにできる環境にあるわけではなく、むしろ自分をオープンにしてギョーカイに出て仲間を作れているのは幸せなことなのだということを身に染みて感じました。
  • 2011-04-20 01:14
  • URL
  • 高倉唯 #79D/WHSg
  • Edit

10 ■カルチャーショック

>唯さん
私も受けました。

彼女とか友達以前に、自分以外のセクマイに
出会えたことがない状態って、そりゃあるんだよなって。

唯さんのオープンさもアクティブさも、それは確かに、
ちょっと特殊かも。
でもそれが特殊なことや、唯さん自身が、
あれ、おかしくなってたかも、と思うような
「現状」の方が、つまんないよなーと思います。

ので、なんならあえての現状無視で(笑)、
唯さんがオープンにして、仲間がいて
出来てること、そしてそれを発信してること、
いつもとっても楽しみにしてます♪
  • 2011-04-20 08:29
  • URL
  • ヨコ #79D/WHSg
  • Edit

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ヨコ

Author:ヨコ
どたばた働き、美味しいご飯をぱくぱく食べ、5歳上の彼女とのお付き合いはのんびりまったり、一緒に楽しく暮らしております。

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