メトロノームのように

連休明けの夜、あおちゃんは会社の飲みだった。

連休の狭間で、私の机の上には仕事が山積みだった。


早く帰ろう、という強い動機が失われると、残業というのはとめどなくずるずるとながびくもので、気が付けば10時を回っていた。


家について、袋ラーメンを作って、食べながら、ネットをだらだらと徘徊する。


もう遅い時間なのだから、夕食も適当にすませたのだから、とっとと他の用事を済ませて、寝る準備をすればいいのに、残業が長引いた日に限って、だらだらとしてしまうのは、なんでなんだろう。


器は冷えて、洗われないまま、テーブルの上に置かれ、ぬいだスーツとコートはソファの背にかけっぱなし。化粧も落とさず、風呂にも入らず、家計簿もつけず、ただパソコンの画面をぼうっと眺め、無為に時間が過ぎていく。




日付が変わる頃、あおちゃんから「かえるー」とメッセージが携帯にはいった。
メッセージを読んだ瞬間、まるでスイッチが押されたように、するすると体がうごきはじめた。




パソコンを落とし、風呂のお湯を温め、皿を洗い、脱ぎ散らかした服をクローゼットにつるした。


お風呂に浸かっていたら、玄関口から、あおちゃんが帰ってきた音がした。

「おかえり」と声をかけたけれど、返事は聞こえず、気配が消えた。

お風呂からあがって、リビングを覗いたら、案の定、あおちゃんは赤い顔でソファに丸まって、私のストールにくるまって寝ていた。
あおちゃんはお酒に弱いので、飲み会の後はわりとよく部屋でゆきだおれる。


「起きなよー」と声をかけるけれども、全く動かない。




ゆきだおれている人を尻目に、キッチンを拭いて、電気ケトルにお湯を沸かし、歯を磨いて、ハーブティを入れて、髪を乾かす。


一通り、準備が整ったところで、ソファの横に腰を下ろす。


「風呂に入りなー」

「お茶を入れたよー」

「(お風呂に入らず)布団に入っちゃうか?」

「起きて起きて」

「ほーら」


ゆすって、ぺちぺちとほっぺたを叩いて、撫でて、声をかけ続ける。




酔いのまどろみに落ちている人は、眉をうーっとひそめて、ゆるく首をふる。
それでもしつこく声をかけ続けていると、もぞもぞと動いた。
かと思ったら、ソファからすべりおちて、今度は私の膝の上で動かなくなる。


めずらしく手のかかる感じが、なんともいえず、かわいいなあ。
そう思いながら、そこから、声掛けのローテーションを、またもうひとまわり、ふたまわり。



経った時間は10分か、20分か。

「気持ち悪い……」とつぶやいて、ようやく体を起こして、よろよろとお風呂へ入っていった。


湯船で寝ちゃわないか心配だったけれど、早々にあがってきたので、一安心。
一足先に布団に潜り込み、なんだかとても満ち足りた気持ちで、すうっと眠りに落ちた。


そんな、ある年末の深夜。




***



実感する。


あなたがいてくれて、私はようやくきちんとした生活を送れる。


なるべく早く会社から帰り、ちゃんとしたご飯を作って、掃除をして、片付けをして、お風呂に入って、歯を磨いて、長く眠る。
そして、あなたが本調子でなければ、なにかと、とっても余計な世話を焼く。
それは心楽しいことだ。



あなたが何をするかではなくて。
あなたが何を言うかではなくて。
あなたが何を望むかではなくて。


あなたの存在そのものが、私の生活のリズムを守り、律し、そして、向上させてくれている。




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あなたがわたしにくれたもの


こんばんは、ヨコです。
色々お答え頂けて、大変楽しかったアンケートも、とうとう明日〆切ります。

自分で切った期限ながら、ちょっと長すぎたなー、でも書いちゃったしなー、なんて思ってましたが、なかなかどうして、ゆるりゆるりと回答が増え続け、80名近い方に御協力頂きました。


わっほい!


引き続き頂いたコメントはネタに励みにさせていただきますので、よろしくお願い致します。

あ、ちなみにあおちゃんは、青よりも、オレンジとか緑のが好きです(笑。





さて、冬本番ですね。


この前、遠赤外線ストーブを検討中という友人と、ビックカメラ内をうろうろしてました。
したところ、ここ最近ツイッターで評判を見て興味を惹かれていた電気膝掛けを発見!


ナカギシ 電気ひざ掛け 日本製 140×82cm NA-052H レッドナカギシ 電気ひざ掛け 日本製 140×82cm NA-052H レッド
(2008/09/01)
なかぎし

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※商品はイメージです。



我が家のダイニングテーブルが窓際に置かれているせいか、この時期、椅子に座っていると、足元が大変冷たいのです。

ユニクロのあったかい室内履きを買い、レッグウォーマーをはいて、だいぶ緩和されたものの、まだ冷える。


エアコンの気温を上げても、なかなか足元は暖まらないし、さりとて、電気カーペットまでつけると電気代が気になるし…という中、電気膝掛けは、電気代も安いし、空気は汚れないし、足元だけあっためられて、なにか作業するときにもいい、と書かれていて、がぜん興味をそそられておりました。



しかーし、ビックカメラに並べられていた電気膝掛けは、とにかくデザインがダサいというか、なんというか、さすがの私も、手を出すのをためらう感じ。



取扱い説明書を眺めながら、友人を巻き込んでアレコレ迷っていたら、あおちゃんからラインがぴこぴこ届きました。



何気なく、「電気膝掛を物色してるー」と送ったところ、
「いやいや、なにそれ。じゃまくさいやん」
と、即レスでまさかの大否定



え? だめ??



「あったかいし省エネらしいよ?」と、売り込むも、「いらないでしょ、かわいくなさそうだし」と、バッサリ。
けんもほろろとはまさにこのこと。。。




まあ、確かにダサいんだけどねー。

あまりのダサさに、さすがに迷ってたんだけどねー。

でも、寒いんだよー。寒いのは女子の敵なんだよー。

女子、という部分に異論は認めないぜ。




普段、自分のお金で、自分の為に買うものには、お互いあまり関与しないので、意外に強硬な否定っぷりにちょっとびっくり。

ただ、これを買うと、共有スペースのダイニングに常駐させることになるのは事実。

さすがにこの否定具合では……と買い控えて、すごすごと帰宅。



同じく、帰ってきたあおちゃんに、電気膝掛けの魅力をふたたび熱く語ってみたところ、ため息ひとつついて、すっと玄関の方に消えました。

しばらくして戻ってきたあおちゃんの手には、赤くて大きな包み。



「ちょっと早いけどクリスマスプレゼント。買われたら、やだから。電気はつかないよ」



そういって渡された包みから出てきたのは、広げると、そのままくるまって寝てしまえそうなくらいの大判の、とってもあったかくて、そしてなによりかわいいデザインのストールでした。







わー。


わー。


わー。




あの、ちょっと「らしくない」言葉は、そういうことだったのか!
腑に落ちて、そして、なんだかすごーくほっこりした気持ちに。



「ちょっと大きすぎるかなと思ったけど、そのままくるまってそうだから」


うん、ばっちりくるまるね。

くるまって、ソファの上でぬくぬくしてるね。

そしてたぶんくるまったまま、ぐっすりと寝てしまうね。





ぷるぷると寒がっては、「着る毛布が素晴らしいらしいよ…」と呟いていたわたしに、とても素敵なプレゼント。




あなたがわたしにくれた、選んでくれる気持ちをなにより、贈り物に感じるってありきたりかな。





大事な人へのプレゼントは決まりましたか?

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サイクル

「ねえねえ、ブログが更新されてないよー」


お酒を飲んだちょっと赤い顔であおちゃんが言う。


「もう10日以上何にも書いてないよー」


相変わらず何にも感想はくれないけれど、意外に楽しみにしてくれているらしい彼女。

今日は私の方がだいぶ早く帰ってきたから、ブログを書いていると思ったんでしょう。



人参刻んでたからなー、と笑う私。

明日は私が飲みでいないからね。きんぴらでも作っておきたかったのよ。




12時を回った頃、

「12時回ったらアップされるとかもなかった…」

とちょっとつまらなげにつぶやかれて、なにこのひと、ちょうかわいい。



***



鹿児島旅行の続きとか、福岡で素敵なブロガーさんにお会いできた話とか、二人で家具を買いに行って、会心の買い物が出来た話とか、結局転居費用はどんくらいかかったのとか。


書きたいことはいっぱい色々あるんだけれど、今は少しずつ新しい生活のサイクルに慣れるのが先で。


洗濯機を平日に三回位回したり。

追いだきは一回しかしなかったり。

九時まであいてる激安スーパーに寄ったり。

まうが転居祝いにくれたクイジーナートでスムージーを作ったり。



「張り切り過ぎるとバテるよ~」


一緒に暮らし始めてから、嬉々として毎日ごはんを作る私をたしなめるように、彼女が言う。



うん、大丈夫。
嫌になった時や疲れた時は容赦なくやらないから。

でも、自分のおうちで作るご飯を、彼女と食べられる、なんともいえない楽しさは、なんにたとえられましょう。



***


今日は、そんな彼女のお誕生日。一緒にお祝いできる三回目の誕生日。

一緒に住んで日常を送れる静かな幸せと、特別な日を祝えるわくわくする嬉しさをくれて、ありがとう。





ブログも生活も、マイペースに楽しみます。

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一緒にいる才能

あおちゃんの肌荒れが、最近ちょっと悪化気味。
口内炎や舌炎も出ているから、要は体表が全体的に荒れてるんだろう。
(てことは、肺も痛んでる筈なので、咳が発症しないよう気をつけたいところ)


ストレスかー、ストレスだな!! といっていたら、
まあ仕事のストレスに関してはそちらよりはマシだよ、と肩を叩かれた。

そうかなー。
人間関係のダメさと、仕事の徒労感っぷりは、たぶん私の方がひどいけど、
長時間残業っぷりと、結果へのプレッシャーはあおちゃんが私の1.2割増し、
といったところなので、よくてトントンだと思うけどな。

じゃ実は密かにプライベートがストレスに…! と、冗談めかしたらすかさず、
そうそう、実はプライベートでねー…と、ノってくる、あおちゃん。

そして、一呼吸してから、
「このプライベートがストレスになる位なら、私、人とは付き合えないよ」
と、笑った。


私一人で友達と、日付が変わるまで遊んで、あおちゃんちに転がり込んだ金曜夜。
我が家に、素敵カップル2組を招いて、たこ焼きパーティーをひらいた土曜日。
街歩きして、お買い物してカフェに寄って、一日デートして過ごした日曜日。
そんな週末が終わろうとする、涼しい風吹く晩春の明るい夕暮れ時に。



その瞬間の、詰まるみたいな胸苦しさを、何に喩えればいいんだろう。

一瞬黙って、言葉がうまく出なくて、ただ、えへへと反射みたいに、私も笑った。

それくらい、私はその言葉がうれしかった。



私は、いま、私の付き合ってる人のストレスになってないらしい。

つきあっているが故の強い遠心力で、無意識に振り回したり、
小さく細かく傷つけたり、神経を逆撫でたりしてないらしい。


ずっと、そうだったらいいと思ってた。むしろ願ってた。
でもそれは、なかなか叶わないことだった。
少なくとも私にとっては、ほんとうにとっても貴重なことで、
これはもう、あおちゃんの才能だ。


そんな相性の彼女となら、一緒に長く続く生活とこれからの人生を
作っていけるんじゃないかと思えてるから、
いっしょに住もう計画、はじまります。




Xデーは、まず今週末。

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わたしがあなたにあげたもの

なにかを作ることが、結構好きです。


ご飯を作る以外にも、お菓子作りも、編み物やビーズアクセ作りも好きなので、
「意外に女の子っぽいところがあるよね」なんて言われます。


私としては、このあたりのことが好きなのは、文章を書くことや、
HTMLやエクセルのマクロを書くのが楽しいのと、出所が一緒なので、
女の子らしい、とか言われると、なんだかむず痒い感じがします。


さて、そんな私、冬になると季節行事的に編み物がしたくなります。
編み物で私が作れるのは、帽子とマフラーまで。

このあたりの小物は、作業に飽きる前に完成するので、
飽きやすい私向きなのです。


おあつらえむきに、あおちゃんが毛糸のマフラーはわりと好き、
ということで、じゃあ是非私が編んだものを受け取ってくれたまえ!!
と、るんるん一緒にユザワヤに向かい、毛糸を一緒に選んだのは、そう
一昨年の11月頃。


私、そこからまさかの、作りかけで放置。


うん、ありえないよね! 知ってる!

一年間、その完成について何も触れずにいてくれたあおちゃん、
本当にありがたい人です……。


んで。

今年の冬が巡ってきたとき、その触れない優しさに、深く反省した私。

もう一度やったろう! と、また毛糸を買い求めたのが、クリスマスの二週間前。
そこから、サプライズプレゼントを祈念して、あおちゃんの目を盗みつつ、
ちまちま編むこと一ヶ月。

クリスマスプレゼントは無理にしても、お年賀あたりでプレゼント……の望みも、
久しぶりの編み物に、編む速度がだいぶ落ちていた私には壁が高く…。
1段5分かかるのに、500段あるデザインは、完全に戦略ミスです。


もうこれはバレンタインかなー……と、密かに肩を落としていた年明け。
一月の初め。
あおちゃんと二人、銀座をぷらぷらと歩いておりました。


街は、正月セール真っ盛り。
お気に入りのショップに寄りたいーというあおちゃんに、
何気なく「何探してるのー?」と聞く私。


「んー、そろそろマフラーが寿命かなーと思って」


ぎっくうー!!


「そ、そうなんだー…」と、相槌を打ちつつ、いいのが見つからないよう、
必死に心の中で祈る私。


「あ、これいいなー」


うっわー、超似合いそうだしー! 可愛いしー!! しかも値段お手頃だしー!!!


さくっとレジに持っていきそうなあおちゃんの腕を、もんのすごい葛藤の末、
意を決して捕まえて、蚊の鳴くような声で


「あのーあのーあのねー…、それ買うのちょっとだけ待ってみない?」


「………あのマフラー出来そうなの…?」



涙 サプライズ☆


あおちゃん、その後は、特にその話題につっこまず、棚にマフラーを戻し、
普通にデートを続けてくれたのでした。ううう。。。


そんなほろ苦いというか、私のただただマヌケな話がありつつ、
ようやく完成して、プレゼント出来たのが、2月頭。
スキー旅行の前日と相成ったのでした。




なぜ、お年賀でもバレンタインでもないそんな中途半端な時期かと言えば、
雪国に持って行って欲しかったからです。



幸か不幸か、今年は近年まれにみる大寒波。
こんな冬も終わりかけるタイミングでも、マフラーが活躍する真冬の寒さが、
定期的に襲来してくれます。


気候、グッジョブ!


と、この気温と、週末ごとに黙って使ってくれている彼女に、
感謝の念に堪えない今日この頃なのでした。




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ヨコ

Author:ヨコ
どたばた働き、美味しいご飯をぱくぱく食べ、5歳上の彼女とのお付き合いはのんびりまったり、一緒に楽しく暮らしております。

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